東京都北区赤羽
- 作者: 清野とおる
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2013/07/12
- メディア: コミック
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街ハンターたる僕はその街のダイナミズムやその街が醸し出す不思議な話が大好きだ。思わず僕も『うひょ!』といっちゃうぐらいおいしい。
なので絶賛している。ぜひ、東京の事をあまりしらない地方の人にも読んでもらいたい逸品なのです。小説では街のダイナミズムを書く小説が多いが漫画では稀なのです。
赤羽という街を知っていますか?
地方の人間にはピンと来ない街である。僕もそうである。
東京都の北、埼京線と京浜東北線が交わるギリギリ東京都、川を超えると埼玉県。この街、地図で見ると変哲もない街である。
しかし、この街にはちょっと磁場が狂っており、変な人が集まる。いや、この表現は正しくない。この街は磁場が狂っていて、住んでいると既存の価値観軸がちょっとづづずれていくのだ。
たとえば東京近辺には、赤羽に負けないぐらいヘンテコな街がある。中央線、高円寺あたりの変わり方。しかし、それは変わっていながらスタイリッシュなのだ。芸術的というか、学生文化的といいますか。下北沢もそうです。変わった街で、世間とは違った下北の価値観軸がある。しかし、いずれも若者が学生時代からスタートして若者のチャレンジブな精神にあふれている。その延長の『変さ』である。そして良識ある大人がそれを擁護しているが。
一方で赤羽は違う。大の大人が堂々とおかしいのだ。基礎からして価値観軸が歪んでいる。その歪みのパワーを増幅させているのが赤羽である。
関西で言うなら『十三』
関西人に理解しやすい表現として『赤羽』は『十三』であるといいえばいい。
なんか、浮浪者がいて、アジアチックで、何かが起こるが、その『何か』がもう日常と化してしまっている街、赤羽。その街に対抗できる街は、関西の『十三』しかない。
地政学的にも非常に似通っている。数本の行先を束ねる路線の途中駅という性格、大都市の北側、近所に大きな川。ほぼ条件がそろっている。
街の雰囲気はどうだろう?浮浪者、駅前に『波平アトム』とかいう堂々とパクリの雰囲気。小さい小料理屋や飲食が多い。まさしく同じだ。
最後に神戸なら?
まぁ神戸でも似たような場所はある。何処か?それは『モトコー』である。この本で感じれる感覚を得たいなら、モトコーで飲んでみてください。