まとじょーしか人形

これはマトジョーシカだ
あれもマトジョージカだ

かなりバタ臭い顔をしたマトジョーシカだ、
そばかす付きのリアリティがある顔に、日本人の仕事は感じられなかった。


(※正確にはマトリョーシカ、でも『まとじょーしか』の方が個人的には馴染みがある)
僕は、雨に日はあえて散歩をする。雨の日はお店に人が少ないので、ゆっくりできる。
買いたい物があるわけではないだらだら散歩にはちょうどいい。
たまには街を観察する事を忘れてはいけない。


さすがに雨がめっちゃ激しくなったので、雨に濡れないモトコーを歩いてみることにした。


薄暗く、この昭和の闇市的な雰囲気は独特で大好きだ。昔は流行っていたモトコーも今やシャッター通りとなり、寂しい限りである。わからないベータとか山積みする店もちゃんとまだあるが、今のモトコーは闇市から新しく何かお店にチャレンジするベンチャーなエリアに変貌している。旧来の中古の闇市スタイルの店から、サブカル??いやいやそこまで・・・的な訳のわらない店が、突然発生したりするので見逃せない。

モトコーを歩いていたら、明るいナチュラルな色合いでまとめた、とっても小さなロシア雑貨屋を見つけた。
薄暗いモトコーにしては、女の子の仕事が見える小さなギャラリーと勘違いしそうな店であった。
いわゆる木質の店内内装が、流行のガーリーなカフェのような感じを出している。ロシアという所に視点を置くのはなかなか出来ることではない。それでけニッチな所を攻めれるのは、なかなかヤルなぁと思えた。

ぱっとみて店員はいないようにみえる。
お店の奧の壁に入り口があり、扉がわりの分厚いカーテンが引かれていた。
入り口の横の壁には、なかなか出来の装飾の呼び鈴が備え付けてあり『御用の方はならしてください』と書いてあった。


小さなお店ではあるが、雑貨は詰め込むように置かず、小さなく白い木製のショーケースに、小綺麗に並んでいた。
ショーケースはあまり多くの雑貨を並べている訳ではない。


シンプルにマトジョーシカしか置いてなく。ガラスの向こうからアンニュイというか空虚な表情のマトジョーシカが通りを眺めるように置いたあった。


(よく見るとシュールな顔ししてるよなぁ)


なんか不思議な気持ちになってマジマジと眺めていた。こいつらなんか日本の民芸っぽいけど、あくまでもロシア人だね。
思わず、「ロシア臭い・・・」と口から漏れてしまった。


するとだ、急に奧から人が出てきた。奧に店員さんがいたようだ、ふと視線をマトジョーシカから外すと、金髪のロシア美人!?が立っていた。
(あわわ・・!!)
「何か気になる物はありますか?」
淀みのない綺麗な日本語で、私に話しかけてきた。


「あ・・・いえ、特に!!」


私はすぐその場を立ち去ってしまった。よくよく後で考えたらたいへん大人げない行動だった。


・ (どこかの雑貨好きの日本人の女の子がやってんだろう)と適当に思ってて、ロシア雑貨を適当に見てた。
・ そしてあまりのもリアルにロシア臭い雑貨だったので、「ロシア臭いと」本当に言ってしまった。
・ するといきなり金髪のロシア美人が前に現れた。
・ ロシア美人はパーフェクトでネイティブな日本語をしゃべった。

でもさぁいざ本当の金髪美人を前にすると、なんかびっくりしちゃうよね!ロシア美人って同じ金髪の女性でも肉食系アメリカ人やカナダ人とはなんかオーラが違うんだよね。
なんか透明感があるから「( ゚д゚ )はへぇー!」ってなってしまします
もしかして、幻の神戸白系ロシア人の子孫なのではないでしょうか?(モロゾフでおなじみ)


そんな妄想が今日の散歩の収穫でした。