月夜の散歩
人気のない工場の横を通り過ぎようとした時だった。街灯の蛍光灯は青白く薄ら寒い光だった。気にかけず僕は、街灯の脇を自転車で抜けようとしたとき!闇の中からスっと街灯の明かりの下に女性が出てきた。
!!
幻想的に蛍光灯に照らされた女性を見て絶句した。
あまりにも、気持ちのいい夜だった。夜9時になって僕はたまらず自転車で当てもなく散歩に出かけた。夜が騒いでいる。平和な夜の気配を感じた。暑くもなく寒くもないちょうどいい気候の土曜の夜は、いい感じで飲んでいいる人々の気配で満ちていた。僕は自転車で旧街道と思わしき道をふらふらと寄り道していた。昼間の顔とは異なり夜の街は、普段見えない世界をみせる。それは妖しくもあり神秘的であった。月夜の光だけを頼りに僕は田んぼの道を自転車で漕いでいた。なんか楽しかった。
田んぼのど真ん中にある謎の店。昼間は気づかないだろう。何が出てくるか?本当に謎である。
そして、人気のない工場の横を通り過ぎようとした時だった。街灯の脇を自転車で抜けようとしたとき!闇の中からスっと街灯の明かりの下に女性が出てきた。
それは美しいインド人だった。いや、インド人かと思わしき美しい女性であった。何故こんな民家も少ないところに?ここが日本なのか?怪しくなってくるぐらい、民族的な服を着ていた。色はインド人にしては綺麗なぐらい白い。そもそもインド人なのか色の白さからドラィタ系やモンゴロイド系ではない。あの民族衣装!インドだとおもったのだが謎だ。しかし見た事はある。何処の国の人だろう?アーリア系の人種だろうか?
そんな事を考えて僕はフリーズしてしまった。
幻想的な、夢のように僕の横を過ぎ去っていった。声をかければよかった。いい夜ですねとか、気を付けてとか
そんな不思議な深夜の出来事であった。あの女性はインド人なんだろうか?ペルシャ人でもなく、パキスタン人でもない。頭をベールで覆っているが赤い落ち着きのある柄。今考えると謎は深まる。
インド人・・・違う サリーじゃない
パキスタン人・・・違う、ストールじゃない
バングラ人・・・服の柄は惜しいが、顔が白すぎるし彫が深い。
ペルシャ人・・・顔を似ているし頭を覆うフードの形は似ているが、服の柄が違う。
イスラム系だと思うんだけど、僕はあの服装をどっかで見たことがある。どの国だった思い出せない。ああ!気になる!
散歩して考えていたら夜が明けてしまった。やれやれ
まぁこの話、信じられないかもしれないし。僕も今考えると、幻だったんんじゃないかとと思えてくる話でした。
その後朝、急に思い出す。あれだ!
『乙嫁語り』
一番似ている。これに派手な装飾品を省くと、そっくりだ。しかし、中央アジア人が名古屋の郊外を歩いていると仮定すると。もっと謎は深まる。