北京旅行記9「幻の空間、新紅資客桟」
夜の北京の下町を一人で彷徨っていた。
真っ暗で街灯すらない場所
闇は街を被い、闇夜の奥から人の話し声が聞こえる・・
本当の闇だ!日本にない恐怖を感じる闇だ。
明らかに昼間と異なり、不思議な気配が辺りを被い、魔の類が活動を行う。
闇は魔が支配する時間なのだとありありと感じる
人間は家に閉じこもりじっと朝を待つしかない
度胸のいる夜の一人歩きだ
幻のホテル、新紅資客桟
ローランド・ブラーム氏が手がけた芸術品ともいえる幻のプチホテル
それが新紅資客桟だしかし、この近辺にホテルなど見当たらない。
四合院の民家はどれも堅く門を閉ざしていた。
東京のカフェ探しで培った高性能レーダーを最高感度で警戒しているのだが・・・・
しかし、気になる民家が一つだけある。その民家の門灯には欧米の照明センスが感じられた。だけどホテルだった門ぐらい開けて客を待っていてもいいだろう?
その紅い門は頑なに閉められ、来る者を拒否していた。
もう限界だ探索を中断してホテルに帰ろう・・・
翌日
龍ちょっとお願いがあるんだ
「ハイナンデショウ」
実はこのホテルを探すのを手伝ってくれないか?
「キイタコトナイ ホテルデスネ ワカリマシタ」
ということで再び検索再開
そして・・・やはり昨日の気になる民家の前に行き着いた。
東四六条九楼といったらここかやっぱりここか。
やはり門は頑なに閉まっている。
「モンシマッテルネ」
ノックして聞いてみるか、すまんが龍交渉頼む
「ハイ」
門をノック(インターホンはなく、門についている丸い輪をガチャガチャとする)
するとすぐスラリとしたチャイナ服の女性が姿を現した。
「lainizffutVVヴぁ」(注:中国で交渉中)
「fjhぐいrvj」
「ココダッテ ナカヲケンガクサセテクレルッテ」
チャイナ服の女性は微笑んで私達を中を案内した。
俺「これは!」
龍「スゴイ ジャン」(あ!今こいつジャン付けした。マジで驚いてる)
これは中国革命時をモチーフにしたアンティークが綺麗にロビーに収まっている。
しかも、それらが絶妙な空間に安定とバランスを生んでいる。
こいつは、凄腕のインタリアデザイナーの仕業だ!
しかも、私の中国デザイン研究のテーマである。
『静の中国』
『そのままではバタ臭い中国デザインを西洋のテイストで見事な調和を作る』
を満たしている。
「龍こっちにきてみろよ!すごいのがある」
「ハイ?」
「!!!!!」
続く
参考文献他
http://www.redcapitalclub.com.cn/

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