7.石巻の『つるの湯』と『”居酒屋こうちゃん”の生牡蠣』

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このシリーズは基本名古屋の話ですが、今回は旅行先編で東北石巻の銭湯の紹介です。風呂上り飯は今が旬の牡蠣を食べました。

 

 

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せっかくの東北石巻まで来たが酷い雨でした。石巻は震災の傷跡がまだあちこちに残っていた。

 


ドラクエ/ほこらメドレー : Dragon Quest - Shrine Theme Medley (Strings ...

止まない雨、重たい空、地震の跡

東北を旅する時ってなんかいつも悲しくなります。僕の頭の中ではエンドレスで『ドラクエの祠のテーマ』が流れてた。そんな寒くて悲しい独り旅をわざわざ休日に行っていました。しかし、一人旅を何度かやってると『寂しい旅』は必ずあります。一人旅の味は『寂しさ』にあり、その寂しさが大事な旅の糧となるものです。

普通の人にそれを話すとマゾか変態だと思われますけどね。

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壊れたままの廃墟や、街角に供えられた花なんか見てると心が折れそうになります。僕は神戸人ですから、普段思い出したく事も思い出してしまうものです。

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あまりにも身も心も冷え切ったので、お風呂に入りたくなりました。いつもと同じことをすると不思議と落ち着きます。今回は入ったのは『つるの湯』石巻で唯一残った銭湯です。あとは震災で辞めてしまったが、ボランティアの支援から『つるの湯』は復活しました。

 

風呂上りにボンヤリとしてると番台のばあさんが声をかけてくれました『どこから来なすった?』訛りの強さから少し聞き取りにくい。2、3世間話をして「いい地元の居酒屋はないですか?」と聞いてみたところ、その場にいた年寄全員に『このひと居酒屋さがして・・あんだ、しらねぇか?』と尋ねてくれた。軽い気持ちで聞いたので、そこまでしてくれるとは思わず、すごく恐縮な気分になった。

 

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結局、すぐそばの『居酒屋こうちゃん』はお勧めだということで突撃してみました。駅のはずれにある居酒屋。しかも全く知らない土地。お風呂に入って体が温まったせいか、平静を取り戻し少々やる気が出てきた。

(ガラガラーたのもー)

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(つきだしに蛸と大根の煮物)

入るとカラオケが置いてある、田舎の一杯飲み屋。カウンターがあって悪くない感じだ。”おかみさん”と料理人の”だんなさん”が二人でやっている暖かい店だった。

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生牡蠣

『三杯酢で食べるといいよ』

当然のごとく美味い。この地方では普段の食なので別に感動するほどの代物じゃないそうだが、私にとってみればご馳走だ。

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黒ナマコ 中華料理に使われる高級品ですね

東北の食材は名古屋や関西には入ってこない。ナマコは西では滅多に食べられないので、ここぞとばかりに頼む。すごくコリコリしている。日本酒が飲みたくなる味だった。

 

地元の漁師さんが隣で飲んで、いろいろおかみさんと話をしていたが、何を言っているのかさっぱりわからなかった。まるで外国に来た錯覚を覚える。

『関西なんて高校の修学旅行以来行ったこのないよ』

おかみさんはそう言った。東北と関西はとても遠い。お互いよくわからないのだ。

そして今回、飲みながら感じたのは東北の人は、口数は少ないがとても察する力が長けた丁寧な人が多いということだった。