東京と云う街々7「港のリアル感が無い」

関内

 神戸人として横浜を眺めると、同じ港町でもそれは全然違うものだと認識する。強引に共通点を見つければ、見つからないわけでもない。しかし、根本的に街のリズムが違うのでなんともしっくりこない。
僕は当初横浜がなんとなく好きではなかった。横浜駅を降りて、横浜?これが?横浜のイメージのアレら何処に在るんだ??とビックリした(後に横浜のアレらは横浜駅にあるもので無くて2、3駅隣に在ることがわかった。)
つまり神戸で言うなら、神戸駅で降りて異人館や南京街を探していたというわけだ。

いちばんしっくり来ないのは港町特有のリアルな空気がが少ないことだ。いやあったのだろうけど、今は徐々に削がれて、ただ単にベイエリア称する、水辺のテンションの高いだけの土地(例:お台場や南港)になりつつあるって事だ。
古い倉庫があって、ごつい港湾労働者と蒸せるような汗臭さ。税関や国際定期船と中国人など。港町が機能としても受け継いだ様々なシーンを街に刻み付けていたわけだが。それをきれーさっぱりと壊して整備して、整えて『観光客いらっしゃい』的な感じになったわけです。表面的に1日も見れば飽きてしまう。
それでも多分じっくり住んでみれば、いいものが見つかるかもだろう。
少ない時間で観光向けの表面的なものからは、お!?と感じるものは出てこなかった。


特に私の中で大桟橋が一番、港っぽくなくてピンとこなかった。
公園と展示会場としてみればすばらしいが、客船ターミナルとしては、本当にここがターミナルなの??って感じだった。もうそれは、ターミナルに付属的に展示会場と公園が着いているのではなく、展示会場と公園のおまけにターミナルが付いている感じだった。
ターミナルとしてとしの、もやい綱とか、荷物を運び出すリフトとかそんなものがまったく無い。そこにこれから船で外国へ行く場所としてのリアル感に欠けていた。

 
 神戸では、幸いことにまだ細々と客船の国際定期便航路と種々の瀬戸内海を結ぶ連絡線が生きている。その差が港町の姿の差だと思った。あのぼろぼろの歴史を感じさせる神戸のポートターミナルは個人的には神戸らしくて好きだ。横浜にはそれと同じものは既に絶滅したということ、それは時代の流れで、客船と言えば豪華客船しかないご時世ですから仕方ないことです。それは、『しょうがないじゃない事』


しかし、すんごい建物ですよ、この大桟橋は、よく作ったなぁ。建築学科の学生だった目を丸くするぞ、公園としてもすばらしいく『潮風を当たりながら芝生で昼寝が出来る』という機能を持っています。

すげぇ、初めて見たよ。吊るすワイヤーの無いエレベーター


桟橋の上の広場(建物の構造が特殊なのでなかなか言い表せないが、船の甲板みたいな感じのところ)でドラマかCMの撮影をしていた。日曜なのによくするよ。
 撮影ってすごいなぁ・・ごつくて専門機材がたくさん、女優、からメイクさんまでざっと数えて30名の関係者。ワンシーン撮るのに時間も手間も費用もめちゃめちゃかかるんだな。みんなプロだと思うし動きにあんまり無駄が無い。実物の女優の顔の化粧が普段より強調して白い。もちろんこれだけ投資してもそれなりの効果あるってことですね。