旅は語らず、齢37にて旅を知る

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”旅”と文字が軽くなった。私の知っている”旅”とはこういうものだっただろうか?
こんな軽く扱える意味だったのだろうか?
 
旅とは大勢で会って酒を飲みながら、行った場所を誇らしげに披露することだったのだろうか?
Blogに書いて満足するものだろうか?
他人の書き記した旅文学を読んで憧れるものだろうか?
 
 
語れば、書けば、その旅は薄くなり、旅の意味を軽くし、いつかは消えてしまう。それが怖くてならなかった。
30代になって、指先から漏れ出る砂のように色あせて、霧散していくようだった。
常に私は不安、いや恐れすら日々感じていた。
 
 
そんな事を考えて嫌になり、また旅に出てしまう。
最近の旅は楽しくはあったが、心の底で納得するものではなく、暗いものが己の中で沈んでいくだけだった。

 

先日、奄美大島に出かけた。何度目の”旅”だろうか?いやこれも本当は旅ではないのかもしれない。
そこで私は死にかけた。正確に言うなら荒れる海で、己の命を実感した。自分の横に死が口を開けて通り過ぎる瞬間、どうしようもなく楽しかったのだ。そして確信した、これが私がなくしていた”旅”だと。
 
言葉でもなく、写真でもなく、感覚なのだと。
 
 
 
 

13.昭和区御器所の『ふみのゆ』と『なご壱御器所店』

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昭和区は閑静な住宅街で下街というわけではないが、銭湯はある。今回いったのは御器所の”ふみのゆ”一言で言うとアバンギャルドな銭湯で設備は新しい。しかも設計がいい。湯船の淵は木で出来てていて温泉っぽい。大きな湯船が真ん中にあってやや熱め。

露天風呂とサウナがあって、このクオリティでサウナの追加料金は不要という太っ腹さ。

下手な温泉旅館の浴場よりも出来がいい。

名古屋市内でも1,2を争うクオリティの高い銭湯である。

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従軍慰安婦はいたそうだが

先日、新年のあいさつに祖母に会いに行った。祖母はそろそろ頭がボケかけてて、壊れたラジオのように毎年同じことを言ってくるが、年に一度ぐらいは付き合うのも孫の役割というもの。昔はお年玉やおこずかいがもらえてうれしかったが、私も30歳越えているので、もらえないし、望んでもいないので純粋なボランティアである。

 

祖母は中国の青島で生まれ、その後、天津で育った。戦時中に曾祖父が中国で手広くビジネスをしていたようで、それは裕福な生活をしていたそうだ。そこで、インタビューしながら昔の話を掘り出してみた。

 

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【日記】クリスマスの話

「あれだろ、最近クリなんとかっつうんだろ・・・クリボッチ!」

僕は飲み屋の年寄にそんな事を言われた。僕は内心(ウルセー)と言いたかった適当にあしらって店を出た。悪気はないのは解るけどね、なんかそう型を押し付けられるのは腹が立つ。

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長野渋温泉 小石屋旅館

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うーん、このゲストハウスいちばん優れたゲストハウスじゃねぇ。そう思えてきた。

今まで両手で数えきれないゲストハウスに泊まったが、冷静に考えると実はすごく優れたゲストハウスなのではないかと確信してきた。たしかに宿の人の人柄やコミュニティ、その宿で起きた素敵な体験に目が行きがちだが、そういった主観や不確定要素を除いて客観的に評価した場合、小石屋旅館はゲストハウスのサービスや設備において最高クラスだと思う。

 

宿からは鮮やかなビジネス手腕が見え隠れする。ここのオーナー相当やり手だ。

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