その1 旅の始まり

上海

僕は嫌気がさして旅に出た。齢24歳 一人旅のデビューとしては実は大変遅い年齢であった。

船で一路上海へ向った。

中国大紀行の予定だったが、上海で沈没という旅の洗礼を受ける。
誇れない恥ずかしいデビュー戦であった。

チベット


齢27歳
神戸の街角で出会った仲間をかき集め、僕らは3人は旅に出た。
当時の最強のパーティーを集め僕らはチベットを目指した。

もちろん簡単にたどり着けた。
よく考えたらあの時の旅が絶頂で気力、体力も最高だった。
僕らは、日本語とフランス語と英語と中国語を喋り、どんな旅のパーティーよりもバランスが取れていた。

そしてウイグル


何も手には残らないものだ。思い通りなどいったためしがないない。
昔、持ち合わせていた冴えた感性など何処かへ消えていったようだ。
嘆かわしい事もある。

今までたどった道を眺めてみれば自分はなぜ旅をするのだろう?

そればかりは自分にも解らない。
本当にわからないのだ。


齢35歳
25歳でできたこと
27歳でできたこと
今はできなくなってしまった。
しかし35歳になって出来ることもあった。

村上春樹氏の言葉を借りれば、”うまくやっていくしかないのだろう”