登六庵 


(写真はこのカフェではありませんが、六甲山のアートの一つです。森の中にありこち鏡があると、変な世界に連れて行かれそうである。)


最初に言いたいこと
それは、六甲山の山頂にある幻のカフェ、登六庵は”旅カフェ”と言われる旅をコンセプトとしたカフェで最高位のカフェである


僕のカフェを追求してきた中でも5指に入るカフェである。


すごいカフェというのはたしかにある。僕のとってカフェを観るうえで重視しているのは、日常でありながら、非日常の空間であること。
僕の中での”すごいカフェ”というのは、空間が非日常すぎてまるで幻のようなカフェのことである。後で思いかえして、(あれは本当に現実だったのだろうか?)と思ってしまうぐらい神秘性を帯びたカフェである。

久しぶりに登六庵に行ってみた。ライスカレーでおなじみお店で以前はカレーについて書いた。今回は、今日体験した登六庵がもつある種の神秘性についてまとめたい


 登六庵の上空は八百万の神々が歩く道がある。のっけから『はい?』というスピリチュアルな話だが単純な話で、伊勢神宮から出雲大社を直線を引いた場合、この登六庵が線上にあるということだ。つまり八百万の神々が出雲大社に行くためこの辺りを歩いているという。そして今は神無月。神様が一同に出雲大社に向かっている。
店主からそう聞いたとき僕はブルッと寒気が走った。
 ストーリはともかくとして、この登六庵の中は常に冷たい風が抜けているのだ。まるで神様が歩いているようにと言われたらそんな気にもなる。そう感じるぐらい、このcafeの中は静謐で不思議な空気が漂っている。

 そこで冒頭で話した凄い”旅カフェ”である理由は。このcafeの壁に貼られてる、おびただしい数の印刷物である。ポスターとか、図案とか、お菓子の包装とかクラシックで貴重なものもある。それは旅人の無数の記録であり世界がこのcafeの壁に封印されている。場所ごとに貼られている印刷物はヨーロッパ、アジアなどエリア別に分けられている。置いてる調度品も見れ観るほど何かある。
たとえば、よくみると暖炉の隣の小さな小人の人形は煙突掃除人であり、人形がストーリを描いている。つまりこの空間の中には幾千の物語が存在しているのだ。


それが旅カフェとして最高であり、このcafeの神秘性が強い理由だ。
宮崎駿のアニメに出てきそうな空間とでもいうのだろうか?雑多でありながらすべて意味がある。それがこのcafeである。

周りはネコが住んでいる。寒い六甲山で身を寄せ合って生きている野生のネコである。
ちなみに入り口はネコの顔をしているらしい。
日が暮れるとささらに、神秘性が出て現世とは思えない感じがするでしょう。