整備

旅人は己の身を守る道具の整備を怠らない。誰かに強制されることなく・・・




 かれこれ、スポーツジムで1時間ぐらい体をバラしていた。(柔軟の事)
それは、リボルバー銃を分解して細部を入念に掃除し、各パーツの確認を行ってから、再度組み上げるような感覚だ。一つ一つ、その具合を確かめるように、各部の可動域を入念にチェックする。意識を集中しする。慎重かつ正確に、全てを黙々と無言で進める。
 気が付くと周囲の人間が、物珍しそうに見ている。(あ、そうだ私も柔軟しなきゃ・・・)って感じで周りも始めるが、ものの10分ぐらいしか続かない。絶対、安っぽいヨガやピラティスより効果は有るだろう。しかし、一般人は独りで柔軟を長く続けるほど、集中力が持たないし、それが出来れば、わざわざジムには来ない。


 柔軟を軽く見る連中に腕にいいダンサーはいない。よく考えればダンスマスターのZは1時間のレッスンで30分は柔軟をしていた。周囲からは『こっちはお金払っていいるのに、柔軟ばかりするあの先生はダメだ』なんて言う連中もいたが、およそは本質を理解できない小者だった。最終的には動きについていけなって消えていった。Zは様々な柔軟を私に教えてくれて、フルセットでやれば1時間以上かかる。これもテクニカルな技の一つ。


 後はひたすら走る。30分のランニング、最後はダッシュする。
やはり体力はかなり落ちている、15km/hで3分はもたないとダメだ。いつでもその程度のパフォーマンスが出せるよう調整しよう。旅ではさらに背中にバックパックがある。


もちろんそこまでしなくても旅は出来る。
ただ、求められた時にそれがなければ、他のものを失うだけ。



もう少し、調整が必要だ・・・・・