京都を巡る冒険(後編)
「けいぶんしゃに着いたら”失われた時間と百年の孤独”は何処ですか?と店員に聞くのだよ」
その人は僕にそう言い残した。
(失われた時間と百年孤独・・・何の意味だろうか?)
何度もその言葉が僕の頭を巡った。なんで京都はこうもミステリアスなんだろう?いつも知的な謎かけを人に問うてくる。
楽しいじゃないか迷宮都市京都!
この話はいきなり後編から始まっています。
前編は以下の”ひげむう”さんで書いた記事です。
記事では「ここで終わり」になっていますが、本当のところ記事にこぼれた話があります。今回はその後の話です。
<前編の話>
京極スタンドからノープランで旅を始めた私、最終的には不思議な旅館を改装したBerに辿りつた。
前編では「きんせ旅館」で終わっていますが、「きんせ旅館」でこういう話があった。近所に年代物の飲み屋、蛸松というお店があると。「勇気があるなら行ってみては?」緩やかな挑発ではないが、言葉の中に潜む京都人の挑戦的な皮肉が僕をヤル気にさせた。
蛸松
年代を感じる見た目。80年前から営業する居酒屋と聞きました。
暖かい店内。かなりごちゃごちゃしています。一つ一つに歴史を感じます
なにされますか?これが京都の庶民料理。左から鱧、卵焼、??
鱧をいただきました。
べたべたな京都弁「~どすえ」は聞けないが「おこしやす」、「おいでやす」は簡単に聞ける。
昔つかわれていたビールグラスを見せていただきました。鉛が含まれているので今は使えないそうだ。
キリンビールの文字と蛸松の文字。歴史を感じる
棚が傾いたままだ。「この棚が真っ直ぐ見えたら帰りなはれ!といったもですよ」そうおばあさんは説明してくれた。そのため、あえて傾いたままにしているようだ。
蛸松はとても暖かい店でした。そんな蛸松さんで会ったおじさんと意気投合してお話ができました。本が好きで”けいぶんしゃ”の話題があると、明日よかったらおいでとのことでした。
けいぶんしゃ
叡山鉄道にのってけいぶんしゃにやってきました。
”けいぶんしゃ”にやってきました。昨日あったおじさんからは「失われた時間と百年の孤独」というスパイの暗号みたいな言葉が気になります。ちょっと聞くのが恥ずかしかったけど、思い切って聞いてみる。
するとあっけなく「ここをまっすぐ行って、左手にありますよ」とのこと
失われた時間と百年の孤独
喫茶店でした。
けいぶんしゃのスタッフがよく遊びに来るお店でよく仕事帰りに飲んでるそうです。
今日はここでこじんまりとした古本市が行われていました。
そうだ、昨日酔っていたから忘れたけど、一坪古本市が好きだという話をしてました。
しかし、肝心の古本の箱に猫がいる。京都の人は本当に猫が好きですね。この猫と格闘しながら本を物色しました。
この猫は「アンナさん」 建物の隙間に挟まって消防隊が出動する大騒動末に救出された猫らしい。
この、ざっくばらん感が「知の空間」っぽい。みんなが興味あるものが”わさわさ”あってさ、喫茶店に集まってくるのです。
そんな京都の日々を感じれるいい休日でした。