結婚できた彼と結婚できない僕

僕が25,6歳の頃だろう。彼とは毎週、三宮で二人で飲んでいた。いつもダラダラ飲んでいいて、そのときの話題が『どうやって彼女をつくって結婚するか』だった。


・せっかく女の子の電話番号とメールアドレスをゲットして、途中までいい感じでメールのやり取りしていたのに、急に連絡が無くなったのは何故か?
・何処に行けば出会いはあるか?
・どうやって声をかけるか?


僕達は冗談半分、本気で話していた。
彼は仕事が出来ていい男だった。しかし、ただ一点だけ僕は少し不満があった。それは飲んだ時に仕事の話(愚痴か自慢話)か女の話しか彼はしなかったからだ。


彼は典型的な男だ。よくアダルトビデオを借りて、かわいい子が好きで、ヴィジュアル系バンドが好きだった。社交的だった。昔、彼女がいたこともある。


そして苦節、8年後。彼が結婚した。ようやく、彼にちょうどぴったりのおよめさんがみつかり結婚したのだ。彼と一緒に過ごした時間が多かった僕は、なんか感無量だった。8年、女に苦労し、それでも諦めず、合コンや出会いを求めやっと結果が出たのだ。


さて、一方僕は、泣かず飛ばず、彼女もいないまま、まだ独身である。
結婚できた彼
結婚できない僕
彼と僕、何処に差があるのか、客観的に考えてみた。


1.女に対して執念である。
彼は女に対しての盲目的と言えるほどの憧れがあった。男の都合のよい理想の女を強く望んでいた。
一方僕は諦めが早すぎる。

2.性欲が強かった
彼はツタヤで毎週AV5本を借りていた。彼はAVキングの名は伊達じゃなかった。
見事出来ちゃった結婚である。
僕も性欲が無いわけではないが、他の事に対しての興味が勝る事の方が多かった。


3.孤独に弱かった
だから彼は実家暮らしだった。
一方、私は海外の山奥で独りで迷っても余裕であった。


4.料理が出来なかった
彼は破滅的に料理が出来なかった。女に料理をつくってもらいたい願望が強かった
一方僕は、仕事が夕方ごろになるとなんとなく今日何作ろうか考えていた。

5.女友達がいなかった
彼は男友達とつるむタイプだった。
一方僕は友人に男女差がなかった。むしろ女友達が多かった。



こう眺めてみると、自分はかなりこじらせていると思う。
女友達から指摘をうけたが特に(3)が深刻である。
『あなた、だって独りで生きていくでしょ、強すぎるわ』そう、女の子に頼ることができない、そもそも人に頼る事が怖くてしかたないのだ、そこで自分でなんとかしてしまう。
これが本質的な問題である。

 母親はいろいろ僕に無償でやってくれる。ぼくはそれを返せない事に怖くおもうし、自分が至らないことはある。至らないところを他人にしてもらうのが、申し訳なくてしかたないのだ。