ビルマ美人
「君の名は?」
「*****?*です。」発音が特殊でよく解らなかった。
横顔が美しいスラリとしたビルマ美人だった。
僕はこの旅で最大のミスを犯した。
それはこの日本語がしゃべれる美人を食事に誘わなかったということだ。
今でも悔いている。それだけ疲れて判断が鈍っていたのだ。
ミャンマーのヤンゴンに着いた。ヤンゴンよ私は帰ってきた!!
と、叫んでみたものの、僕は正直とっても疲れていた。
前回の直行便と比べて、さすがに今回は疲れた。
疲れついでにボロッちい国内線ターミナルに移動して飛行機のチケットを買おうとした。昭和初期の建物のような国内線ターミナルは趣があった。警備のおっさんに聞いてみると、チケットを買いたいなら2階ある航空会社のオフィスに行けと言う。
そこで2階に登ってみるとたくさんの扉が吹き抜けエリアを囲むようにあった。どのの扉を空けてるべきか?適当に奥の扉を開けてみた。
そこには、狭い空間に人がぎっしり。どうやら航空会社にオフィスのようだ。スタッフはみんな若い。まるで高校の文化祭のようだ。扉を開けると一瞬、みんな沈黙した。変な外人が入ってきたのだから、しかたない。しばらくしてヒソヒソ話が。まるで反応が学校だ。
リアクションを観るだけで何を話しているか大凡予想がつく。
航空券を買いたい旨を英語で伝えると、またヒソヒソと会話があって、一人の女性が出てきた。「日本人ですか?」流ちょうな日本語だ。少々癖は残っているが
「そうです」そう答えると、少々照れたように周りと話しだした。
(かれ、日本人だって、えーすごいぃ)
なんて会話だろう
彼女、よく見ると美人だった。そして、気が付けば彼女は僕を連れて、自分の会社以外の航空会社も一緒に回って、事情を説明して航空券のチケットについて通訳を買って出てくれた。疲れた僕は呆然とした。
なんてすばらしい働きなんだビルマ女性はしかも姉御肌。ミャンマーの男性は幸せ者だな。さっき会ったばっかりの僕に、頼まれもしないのに、あれこれ世話してくれることに呆然となってしまった。
「日本語うまいね何処で習ったの?」
「メグミサンに教わりました」
(何処の恵さんかしりませんが、グッジョブ)と僕は心の中で叫んだ。
結局彼女が世話してくれたにもかかわらず、チケットが高く行きたい場所の飛行機がなかったため、チケットは買わなかった。
「チケット高いね」
「日本のほうがタカイよ私、日本行きたいけどとても行けない」
そう彼女は寂しそうに言いました。