旅立つきみへ


 僕は若者に『海外行った方がいいよ、世界変わるから』なんて言って押し付ける気はない。
いま、書きたいことは15回の旅でようやく解った、海外に出ることの意義についてである。旅とは自分にとってどういう位置づけなのか?ぼんやりとしたそれをまとめたい


 自分探しという言葉甘い幻想で一笑されるが、僕はそれほど否定的に見ていない。それでもアクティブに動いて何かを見つけようとする行為を僕はバカにはしない。



 旅は”リアルなドラクエである”

これは、僕のオリジナルの言葉だが、まわりから意外と受けがいい。的を得ていると思う。
そして、言うと日本に居るという事は、まだドラクエで言うところの街の中でフィールドに出ていない。モンスターも出てこない。しかし、旅は違う。一度、外(フィールド)にでると様々なトラブルが発生する。いいこともわるいことも予想外にやってくる。初めは悪態をついていたが、それを克服してレベルが上がるごとに不思議な快感に変わってくる。


 無限の自由の中で自分自身の全てを使って進んでいる感覚が、本当に生命の充実を感じてしまう。”生命の充実”という表現は妥当かどうかぼくは今も悩んでいるが、自分の力を精一杯つかって、得られる結果や運命に関して、ちょっとした神ががったものを感じずにいられない。そして、旅の途中、いつか見ることになる。時代が動く瞬間を、世界が脈動している瞬間を。将来確実に良くならない散々言いつけられている日本は若い世代の未来を奪いすぎている。そんな世界では見ることが出来ない感覚を


写真や映像では絶対感じられない。五感以上の感覚で感じる瞬間がある。


若くしてその、感覚にに触れてしまう事はある意味、新たな”クエスト”の始まりを意味する。


宿屋で仲間を集めて、新たな旅に旅立つようになる。
まだ、解らない未来の偶然に自分を賭けたくなる日が