サンバ・テンペラード

あれは子供のころだった。宮崎駿が監督で手掛けた”ルパン三世カリオストロの城”。ルパン三世のシリーズの中でも名作で何回も再放送されていた。
ルパンがかっこよすぎる、銭型がかっこよすぎると原作をちょっと超えた作品だが『ルパンはあなたの心を盗んでいきました』という今でも通じる名言である。
僕はこの作品で一番好きなのは、銭型と手を組んでルパンがカリオストロ城から脱出する時である。その時の音楽がなんともカッコよかったのを覚えている。


 ルパンJAZZがかっこよくていいのは前から知っていたが、本気で聴く機会がなかった。そんな時、先日の旅先で偶然、ホテルのロビーで”ルパン三世愛のテーマ”を聴いて感動してから、すごく気になってしまった。なんとシーンに合う音を作るのだろうと。この音を作った人は誰?なんだと。
 ルパンシリーズの音を手掛けたのが大野雄二さんであり、jazzピアニストであり作曲家の方だ。1979と僕が生まれた年にルパンシリーズを手掛けのだが、インターネットもない当時で、なんと音が国際的なのだ。すごいスケールで細かい仕事をしている。今じっくりと聞いて感動したのだった。偶然youtubeで大野雄二さんインタビューを見つけて聴いていると。いいこと言うなぁと、心から感動してしまった。


 その時最近カバーされる曲が”サンバ・テンペラード”と聞いて始めは何の曲か解らなかったが、それがあの僕が大好きなカリオストロの城の名シーンの曲だと知って嬉しくなった。一度しか使われていないこの曲だが、名曲としてどうやら認知されているようで、数十年たった今でも人を惹きつけている。大野雄二さんのルパンサウンドと言われる一連のJAZZな音は日本だけでなく世界でも認められ、わざわざコンサートには海外から聴きに来る人もいるのだという。

世界で活躍する大泥棒にぴったりの世界的を感じる音。サンバ、JAZZでけでなく世界のあらゆる音の要素を吸収して作られている。それが1979にです驚嘆に値するとはこういう事だろう。あらゆる世界の音を聴きこんで作った音だからこそ、どのシーンにも合うように創れる。また、大野雄二さんがシーンあっての曲作りを実践していることを聴いて、今のDJに通じる感性で仕事されていたのだなと僕は感じました。


シーンあっての音


だから大野雄二さんの音はかっこよくて聴きやすい。
日曜の晴れた昼に、大野雄二さんの曲を聴くのが最高です。昔のルパンの放送を思い出してしまいました。