エピローグ
『こちらに来て、ボディチェックさせてもらってもよろしいですか?』
入国前の荷物検査はいつも以上に徹底していた中国から帰ってきた時は質問と手荷物の中身だけ程度だったので、その事を考えると以外だった。こっちはまったくやましいものを一切持っていないので、検査官と世間話をしながら、チェックに付き合った。
この控えめな日本特有の言い回しも懐かしかった。拒否権がない質問だ。やれやれ、日本では当然の事だ
なんでも、インド方面から帰ってきた人間は必ずしているとの事だった。特にバックパッカーは要注意らしい。たしかに海外に長く居ついたバックパッカーで、ハッパぐらい普通だと思っている輩は、結構見かける。そもそもそんな人間は日本のシステム社会で生きる事ができない輩だ。
いい加減さを許容する国、それを一切許さない国。ここまでしっかりしているのに、なんで上手くいかないのか?この国は?
それは誰もわからない。
私が訪れた国では、宗教問題、異なる民族が多く住む、陸上で多数の国と国境があり、難民が押し寄せてくる。などなど、先天的に持ちえる不利な環境条件を多数抱えているのに、個々の国で切磋琢磨している。それでも笑ってやってるぜ。
くだらない事で怒るな!文句を言うな!もっと大切なものがあるだろう