あ!あれは!俺は見たぞ!

「ああ、今やばかった!!ぎりぎりやで」
「スマンが今受け答えする余裕はねぇ!」
車幅ギリギリ!左は岩壁!右は崖でこれ以上よれねぇ!ガードレールぐらいつけろぉぉぉ
谷底はかなり深い【死亡事故多発!!】の看板が連続で並ぶ
ヘアピンカーブ
ブラインドコーナーの連続
アップダウンが激しい
いったいなぜこんな道を走っているのだろう?ペーパードライバーとなった俺が久しぶり運転したのが、今までの見たことが無い長くて、とんでもない道だった。集中力を切らしたらとんでもない事になる。意識を集中するようカーステレオの音量を上げた。


ん!・・・んんん!!


旅の同行者は既に車酔いでダウンしていた。
「スマンが悲しい知らせがある」僕は彼らに言った
「なんだ?」
「遂に給油警告ランプが点灯したぞ!」

川湯温泉から、十津川を抜けて竜神温泉に抜けよういとした。地図では間違ってなかったが、国道は豹変し私に挑戦を叩きつけてきた。後にこれが日本三大酷道と名高い国道425号だと帰ってから知った。
それにしても紀伊山地の山深さは予想をはるかに超えていた。紀伊半島のほぼ中心は人里もない、霊験あらたな聖地であり山と森からは人を寄せ付けない圧倒的な力があった。
もうすぐ日没でガス欠したら
ここで何かあったら・・・


右上に何かいる!!
へ!あれは

ニホンカモシカ
たしか天然記念物で絶滅危惧種
こっちをみている
さすが紀伊山地世界遺産