おんがくかい

一人で真夜中に、音も無い深夜に酒を飲んでいた。
すると面白い事が起こった。小学生の記憶が再生された。私は再生された記憶を客観的に眺める事が出来た。大人の自分の目で

私は小学生だった。『おんがくかい』ってのを行うようだ。なんか顔すらも思い出せないが、おばはんの音楽の先生が、希望の楽器を書くようにって言いながらみんなに紙を配った。私はさしてよく音楽に興味なかった。みた事無い楽器もあった。なんか木琴とか大太鼓とかは人気があった。ぼくはみた事無いが、名前に不思議な響きのあるその楽器を希望として書いた。どんな名前だったかは忘れたが、誰一人として希望は無かった。
 そしてその楽器だといって見せられたのは、オルガンとピアノを足して2で割ったようの変哲も無い楽器だった。 楽譜は全員に配られて「ハイ、練習しましょう」って感じだった。もちろんピアノなんて弾けないし、じゃあ教えてくれるのかと言えば、ほったらかしである。そもそもピアノ関連の楽器は言わばピアノの習い事おする女の子しか扱えないシロモノだった。なぜそんな物があったのか、大人の今の自分から考えれば不明である。少なくとも暗黙の了解でピアノ系は女の子(それじゃあ何のための希望だろうね)
 そんなことで、音は出せるが演奏に加われない私は、音楽の時間で浮いた存在になり、私はそのよく解らない楽器の前で居眠りしていた。毎時間。先生も無視である。そして、そろそろ『おんがくかい』も近いので目障りになったのか、縦笛に強制的に変更させられた。
(何でこんなことしているのかな?バカみたいだな・・・)子供の私は感じていた。


そして強く願うのだった。そう小学生の時俺はいつも思っていた。(こんなヤツらとは関係ない、絶対大人になってやる。俺は絶対、大人まで死なない。そのためにくだらないことを我慢するんだ)


!!そうだ!!俺は小学校の時いつも考えていた。
常に大人の世界を考えながら妄想にふけっていた。ドッチボールに参加せず。
そして今俺は、大人の自分になっていることに気付いた。