真夜中の声

正気が戻って来た秋だった。
飲む仲間が居なくなった。全てはいずれ失うことがわかっていても。
寂しさいもんだ。
そしてうれしい


手にしたものは全て砂のようにいずれ消えるものだ・・・何も残らない
静かで何も音の無い夜だった。
何も残らない・・・か?いや
無の世界が揺らいだ、眠っている意識の中で呼ぶ
真夜中に私を呼ぶ声がする。
それは次第に力強くなり、はっきりと意識できるものとなった。携帯電話だ!リアルになっているのだ!
最近携帯電話の存在を忘れるぐらい使っていなかったが、真夜中にはっきりとそれは、諦めもせずにずっと鳴っている。

いたずら電話にしゃちゃぁ私の睡眠を諦めない。
なんだこの電話番号!
+2220359