アジア新聞屋台村
- 作者: 高野秀行
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/06
- メディア: 単行本
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旅系、紀行系書物をたくさん読んでいるが、いろんなこの手の本を読むと
書き手が男か女かで内容、表現方法が異なる。
女性の場合書き手が随筆スタイルで
これが『いとあわれなり』の清少納言の時代から基本は変わっていない気がします。
「ね、みて、これっていいでしょう?ほら、ステキでしょう?」
(私が素敵だと思ったことの同意を求める)
後は、言葉で言い表せない事を
とりあえず美しい写真を載せて、詩のようなことばをつける
もちろんこれで満足できる人もいるし、同感を得られる人がいる。
また、女性でもこの範囲を超えてす、ばらしい文書表現が出来る人もいる。
しかし自分は男なので、「で!オチはないんかい!」とちょっといらつくことはある
話の抑揚が無く淡々と進む感覚に飽きる
明確な結果結論もない。この文書から何が得られるのだろう?読んだあとの余韻があまり感じない
男はやっぱ心で
『旅って冒険だろ!スリル!ロマン!インディージョーンズヨロシクだ!』と思っている
男紀行系の本で随筆はむかしから椎名誠などジャンルも歴史が古い
ただ難点は、危険やスリルだけに陥りやすい欠点もある。(椎名誠は別格で表現が男児たる感性が冴えて本当にスゴイ)
どこどこの危険なエリアいってきたぜ!ブラックアジアだみたいに。もっと言うなら、酒だ!ガンジャだ!女だと読者をストリップのように興奮させるだけの本もある。
アジアなら蒸せるような熱気が伝わってくる臨場感と、微妙なせつなさ、哀しさ、強さ。そして主人公の成長っていうベタだけど欲しいところが無い。
話が元に戻るが、そこでバランスがよく私が夢中で読めたのが『アジア新聞屋台村』という本
て言っても、実は紀行ではない。舞台は東京大久保
日本の内なるアジアでの話だけど、逆に世界を回ってきた感が余韻に残る。