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旅は語らず、齢37にて旅を知る

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”旅”と文字が軽くなった。私の知っている”旅”とはこういうものだっただろうか?
こんな軽く扱える意味だったのだろうか?
 
旅とは大勢で会って酒を飲みながら、行った場所を誇らしげに披露することだったのだろうか?
Blogに書いて満足するものだろうか?
他人の書き記した旅文学を読んで憧れるものだろうか?
 
 
語れば、書けば、その旅は薄くなり、旅の意味を軽くし、いつかは消えてしまう。それが怖くてならなかった。
30代になって、指先から漏れ出る砂のように色あせて、霧散していくようだった。
常に私は不安、いや恐れすら日々感じていた。
 
 
そんな事を考えて嫌になり、また旅に出てしまう。
最近の旅は楽しくはあったが、心の底で納得するものではなく、暗いものが己の中で沈んでいくだけだった。

 

先日、奄美大島に出かけた。何度目の”旅”だろうか?いやこれも本当は旅ではないのかもしれない。
そこで私は死にかけた。正確に言うなら荒れる海で、己の命を実感した。自分の横に死が口を開けて通り過ぎる瞬間、どうしようもなく楽しかったのだ。そして確信した、これが私がなくしていた”旅”だと。
 
言葉でもなく、写真でもなく、感覚なのだと。