感じる旅力

 

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ウイグル料理店のおやじさんは足が悪く、おそらく60中ごろの歳だと思う。何年か前に脳溢血で倒れたそうだ。かなりおぼつかない感じで今に死にそうな感じだが、世間話をしてピクリと感じた。

 

 

このひと・・・凄腕の旅人だ。

 

肌で感じる古豪の力。旅人同士が感じる”旅力”というドラクエのレベルみたいなものがある。その力の根源は”何を見たか”、”何を見出したか”、”何処に到達したか”の3点である。

 

もう少しわかりやすく言うと、その人しかできない旅をどれぐらいしているか?による

 

昔の人は海外旅行なんて今ほど簡単ではなかった。なので60代の筋金入りの日本人バックパッカーなんてなかなかお目にかかれない。そして昔の人ほど多くを語らない。そしてひっそりと消えていく。日本の生活では全く旅を忘れてしまったように穏やかに暮らしているが、何かしらのきっかけで、とんでもない話が出てくることがある。

 

シルクロードを旅した人は、今も昔もたくさんいたが、シルクロードを外れたその奥”天山山脈の向こう側”に到達した人は少ない。そこに何があったか・・・そこで見たものは!

 

内容は伝説の域だがかなり興味深かった。

 

googleマップでも定かではないエリア。地図帳でも何も書いていないエリアを攻略するのは容易ではない。ましてや、それが30,40年前の世界なわけだから、これは凄いことなのだ。それを記した文献もあまり観ない

 

 

おやじさんの記憶のみに封印されているその知識は、風化して朽ちかけた貴重な書物を偶然手にいれたようだった。