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その2 35歳の旅

西域街道紀行

 次の旅行先は敦煌ウイグルである。はっきり言うとタイとかハワイとかを旅する旅行者と比べると毛色が違う。まず女子には向かない旅だ。諸葛亮孔明とか関羽雲長という文字を見てときめいてしまう人は別だ。さて、こうも年寄になると渋い旅がしたくなる。そして頑固になりひねくれてくる。『一度は行ってみたい絶景』なんかにたぶらかされて、ウユニ塩湖なんか絶対いってやるもんか。そもそも絶景は自分で探すもので、においと気配で探すものだ。
 なので、悪いがミーハーな旅人を少し軽蔑してしまう悪い癖がある。


さて、若き日の私は”とりあえず行ってみる”というスタイルだ。基本は今も変わらないが、今は少々悪知恵がついた。

ルートの確保

はっきり言って今の力量なら休める日数があれば、何処の街でもたどり着く自信がある。
中国大陸にどのように渡るか?それは”安く合理的”なルートではない”面白くて自分らしい”ルートが選べるかである。
今の私は、関空しか使えなかった若きし頃と違って、今や中部、成田、羽田、静岡どの空港も使いこなせる。東アジアの航空網は大凡頭に入っている。調べることが出来る。旅行代理店のあんちゃん頼みだったあの頃と違い、自分で自由にルートの線を引ける。

即座に、各空港から飛ぶ線(便)を調べる。
静岡から武漢
成田から大連
中部から北京
関空からいろいろ

目についたラインを並べてみる。あえて上海行きとかメジャーな航空便を使わない。どの便が輝いているか?それが僕にとってとても重要なのだ。そんな中一番マイナーでリスクのありそうな便に飛びつく。関空→蘭州というやつだ。
リスクを覚悟で飛びつくのではない、覚悟どころが『リスク美味しくいただきます』ぐらいの気持ちで喜々として選んでしまう。
24歳の時代と異なり、35歳の私にはリスクが想像できて、マネジメントする力があるからだ。そして想定外の事態が発生しても、影響を小さくできる自信がある。

協力者の確保

今の自分に備わった力、それは日本で現地のエージェントを自力で確保出来るところにある。

アジア新聞屋台村 (集英社文庫)

アジア新聞屋台村 (集英社文庫)

最近気が付いたことなのだが、師匠と崇める、ノンフィクション作家の高野秀行氏の作品を読みふけるうちに。本で彼が行う手口、テクニックが自然と使えるようになっていた。

35歳の私は、24歳のとりあえずうろうろして何かを得るところから、
海外の腕のいい現地人を確保して、現地を縦横無尽に動き回る旅へ進化していた。

今回の要求事項
・ 砂漠でホームステイ
・ 高級寝台列車に乗る
・ チベット寺院に行く

などなど労せず難易度の高い要求事項をクリアすることが出来た。