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旅人の系譜

蔵前仁一さんの”あの日、僕は旅に出た”を読んだ。今日は旅行人への想いを書き残したい。

あの日、僕は旅に出た

あの日、僕は旅に出た

旅行人
 それは、ディープなバックパッカーがディープなバックパッカーの為の書籍をバンバンだしている。それは、すごいディープさである。
『旅のグ』で有名なグレゴリ青山さん
旅行と映画のライター、前原利行さん
タマキングこと宮田珠己さん
80年代のエスニックブームを牽引した前川健一さん
などなど、バックパッカーで知らなきゃもぐりだよ!といえる旅行大作家を輩出した旅行人の編集長であり、自身も多数の旅関係の著作がある。『ホテルアジアの眠れない夜』など



僕が初めて出会ったのは大学の図書館の隅に転がっていた『旅行人ウルトラガイド 西チベット』である。

西チベット (旅行人ウルトラガイド)

西チベット (旅行人ウルトラガイド)

チベットでも十分ディープだと思うのに、西チベットってなんだ?と思って僕は、行く気もないが、借りて帰った。

このガイドブック、読んでみるとたくさん地図があるのだが、どの地図をみても、当時の僕にはサッパリわからなかった。『ンガリ』ってどこやねん!。地図帳にも乗ってない。
まだバックパッカーのデビューもしていなかった僕は、まるで異世界の地図をみているようだった。
当時は全く理解できなかったが、今は理解できる。
その後、チベットに行った僕だから理解できた。
なぜなら、この地図に載っている地域は、立ち入り禁止区域で、当の中国人(現地人じゃない人)すら自由に出入りできない地域なのだ。そこの地図をつくってガイドブックで堂々で間抜けにも堂々と出していたのだ。これは実は旅行人の隠れた快挙といってもいい。政治上、軍事的な理由から地図がないところを、ディープな旅人が潜入して気合で作ったのだ。


『おい、だれが行くか!そんなとこ!』



と本当にツッコんでしまうぐらいである。
前述の”あの日、僕は旅に出た”を読むとさらにその裏が書いてあって面白い。富永さんという地図を精巧に作る旅人の仕業であるが、現代の伊能忠敬といってもいいぐらい、やることがすごい。
これこそ旅行人の凄さである。
そんなエピソードがぎっしり詰まった本がこの蔵前さんの本である。