異邦の街


春の陽気にあてられて、寝ていたら地下鉄の終着駅だった。最近読書をするとき、移動しながら読むのが僕のブームだ。土日エコ切符を買えば地下鉄のどこへでも行ける。何処へ行ってもいいので気の向くまま地下鉄旅行ができる。そんなこんなで、読書していたら着いたら藤が丘だった。せっかくなんで街をぶらぶらしていた。

 丘陵地帯に広がるニュータウンは見ていて落ち着く。僕ら都市で生まれ育った世代はニュータウンこそ幼いころ故郷の風景である。多摩ニュータウン千里ニュータウン、西神ニュータウンそこには、整って規格化された建物が立ち並ぶなんか薄ら寒い街である。奇妙な感じで無臭の人工の街である。しかし、街を離れれば雑木林がたくさんあり粗い荒野がひろがっている。そのギャップが生み出す、異世界感がちょっと懐かしい。


せっかくなので、リニモとかいう不思議な乗り物にのってみることにした。ガラス面が多く景色が見える不思議な乗り物。ゴトゴトとかガタガタという感じがしない不思議な乗り物だそんなに早くない。スピードは新交通システムと変わらない。これがリニアモーターか。正しいリニアモーターである。上海にある胡散臭いリニアよりもリニアらしい。なんてったってリニアに動く音が出ない。まったく気配を感じない電気駆動のプリウスようだ。


しかし、八草という郊外に来たもののこれからどうするか?特にアイデアがなかった。来た道をそのまま引き返すというの、旅人として面白くない。少し考えて、記憶のアーカイブにちょっとした噂がひっかかった。”ブラジル人の街保見団地”そうだ、DEEPスポットと呼ばれる保見団地に行ってみよう。



保見駅は郊外にある何もない駅。駅前に店など全くないに等しい駅だった。周囲は畑ばかりで団地なんてあるのか?と疑ってしまった。不思議な街だ。団地というのは中心に駅があってそこにショッピングモールがある。そこ中心に住宅が取り囲んでいくという構造だがこの団地、なにもそんな奥地に作らなくてもいいのに思うぐらい辺鄙な感じがあり、周りの雑木林とマンションの高さが滑稽に感じられた。これだけ土地が余っているのだから一戸建てでもいいものをと思う。しかも、車がないと行けない


構造はごく普通の団地。80年代に作られた感じの団地。団地には金髪と黒髪の少女が歩いていた。短パンとタンクトップのヤンキーちっくなお兄さんが暴れている。やっぱり南米系はクソ寒くてもタンクトップだよね。しかし、それほど治安が悪いとは感じなかった。なんせ、大阪の団地の方がヤバイ雰囲気を経験している僕は、それと比べるとまだ、まともに見えた。



 しかし、不思議な違和感があるのが、まるで団地の人間がそっくり日本人からブラジル人に入れ替わったようである。自分が違う惑星に来てしまったようだ。



スーパーを見ると、日本の食材5割あと半分は南米である。馬鹿でかいサイズの柄なジュースとか紫玉蜀黍など珍しいものが売ってある。


<参考>
http://japandeep.info/2010/02/02/121026.html