古本市の記「開店チャシャネコ書店」

『おい!おまえ!』
!?
『おまえじゃ!またこんなこと続けて』
ドラゴンズの帽子をかぶったヨレヨレのシャツを着たおっさん(おじいさんといってもいい人)が目の前にいる。
(はぁ・・・あの・・・)
『だらだら、こんなんならべとっちゃいかんぞ、次にすすまにゃ』
(はぁ?)
『わらいごとじゃないぞ、何も残らんぞ、わかっとんのか?』
(はーぁ!?)

そう言って店先にから去って行った。出店二日目の昼過ぎだった。まったくしらない謎のおじさんが急に現れて僕にそう言い放った。何故かとっても怒っていた。笑顔で対応したが、僕は呆気にとられてしまった。最近のニート的フラフラした若者に説教でもしたかったのだろうか?多分別人の何か間違えられている。普段仕事もせずにふらふらしている変な若者に間違えられているのか?間違ってはいるが、少しは本質をついているし、知らない人だが向こうはなぜか僕の事をしっている。
不思議だ
ああ不思議だ
それにあのこっちにしゃべらせないあの説教のようなアレ、どっかで読んだような・・・



何だっけなぁと僕は椅子に座りなおして、店番を続けようした。そしてふと足元には売ろうとしていた『海辺のカフカ』が目についた。

海辺のカフカ (下) (新潮文庫)

海辺のカフカ (下) (新潮文庫)

あ・・・もしかして、
まさかね・・・海辺のカフカに出てくるカーネルサンダースに雰囲気がそっくりだったな。

二日間だけの自分のお店を開いた。今回はそのときの記録をできるだけ詳細に残すために書く。
BOOKMARK名古屋が主催している一箱古本市に出店したしました。
http://www.bookmark-ngy.com/j-event/208
晴天で恵まれ、名古屋のテレビ塔の下で露店である。
素人くさい自分の部屋の本を大セール。”ブックオフに売るぐらいなら、気に入った人に自分で打ってやれ”そんな思いでの出店だった。まぁ重い本持って帰りたくなかったので、デタラメ価格の大放出だった。
今更ながら価格には反省している。
僕の本には一つ一つストーリーがある。それを理解して買ってくれたお客さん。


ありがとう

開店 チャシャネコ書店


 憧れの古本屋、まぁ客が来ても来なくても、『店番やりながらゆっくり外で本が読める』なんて考えていた。ところがだ、晴天に恵まれすぐそこでは名古屋まつりなるものが行われている土日、人の流れはMAXであった。そのおかげで、売れるは売れるわ、休む暇はなかった。せっかく他の露店も見てみよう思ったのに、そんな暇は全くなしであった。
そんな忙しいが、時間を忘れるぐらい楽しかった

将来有望な酒飲み

3,4歳に男の子が私の店にテケテケっと駆けてきて、一目散にパシッと手にした本は中島らもの『頭の中がかゆいんだ』

頭の中がカユいんだ (集英社文庫 (な23-21))

頭の中がカユいんだ (集英社文庫 (な23-21))

さすがにえええ!と僕は思った。普通そこにおいてある漫画じゃないの??この子将来有望だな。