熱海での話し1

zex2011-07-18

暑い・・僕は熱海の駅前で人を待っていた。汗がじっとりと肌をまとわりつく。
待つというのは結構コツがある。ただぼっとしているわけではない、これから起こる事象を想定して、いろいろシュミレーションを立てたり、自分の周囲を観察したりと、結構忙しい。観察して把握した周囲の状況がいざというときに役に立ったりする。常に回りを警戒している。


世の中のシステムの外にいるエージェントに会うのは骨が折れる。
いつまで待つか?解らないまま僕は待ち続けた。
 僕は彼ら等をエージェントそう呼ぶ。世間の社会システムの外に自由に行くことができる連中だ。普段の社会人であれば接触する事はまずない人々だ。偶然に私と知り合いなったKは代表的なエージェントだ。
捕まえるのが難しい。
 私とKは仲がいいのだが、Kは携帯を持たない。持ってもある特定の目的のためであり、友人と連絡を取り合ったり待ち合わせに使ったりはしない。しかも、用がなくなれば契約を解除する。したがって電話番号を聞いても無駄なのだ。
 いわゆる連絡用に知らされているメールアドレスに会いたい旨をつたえて当日待つ。これだけなのだ。いちおう大体の時間は教えているが・・・



しかし、意外なくらいKは早くやってきた。私を簡単に見つけ出し、停めてある自動車に誘導した。
『久しぶりだな』
かれは、すごく人懐っこく私に話した。Kは私の友人の中でもダントツで普通でなく、すごく頭がさえて少々危険な男である。それにエージェントと呼ぶべき特徴が多数ある。
友達ではあるが、


Kは私を部屋に案内した。
Kが予め私の為に部屋を用意してくれたようだ、さすが手際はいい。非常に眺めのいいリゾートマンション一室だった。