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HALFBY - SCREW THE PLAN : 「これが君の机だ」


 パーテンションで区切られた書類も何も無い真っ白な机だった。小さい最新のノートパソコン既に自分の名前でセッティングされて置いてある。よくドラマとか外国のオフィスとかで見たことあるが、そのままだった。あるオフィスビルの1室。景色がよくちょうどいい高さだ。


指紋認証!?はぁー話には聞いた事あるけど実物は初めてだわ。どやってするんだ?
VISTAかぁ・・メモリもこんなにB5サイズなのに1Gもありやがる。DVD-Rもついてる。私のレッツノートと変わらない大きさなのに。vistaベースのオフィス2007なんて使ったことは無かった。今まで、いつも型遅れでメンテナンスも自分でしていた。予算予算ってうるさく、正規版ソフトなんて使わせてくれなかった。


支給されたパソコンは最新型。おそらくリースだろう、サーバーもセキュリティも隙がなく外部の委託会社のプロの仕事が感じられる。書類は無い・・おそらくペーパレス


会議室に召集され、プロジェクトチーム召集と説明が行われる。チームメンバーは国籍も、年齢も、性別も経歴は様々。CEOより会社のビジョンと今年度の目標がロジカルに説明される。今まで数字だけのいい加減な号令じみたものでもなく、トップの戦略プレゼンだ。
「それでは諸君、共有フォルダのファイルを開いて欲しい。共有フォルダパスワードは・・・でパスできる。」
個々にミッションが通達され、その場の存在意義を帯びてくる。もちろん私にも。


私が考えていた、これが普通で当たり前の会社組織。


今まで・・・怒鳴り、走り回り、服を汚していた毎日。結局はそれは理想と呼ばれ馬鹿にされた姿。いざ、現実に目の前存在すると、不思議でしょうがない。そのまま過ぎて、逆に現実感が吹っ飛んでしまった。


味気なくて、面白くないとは感じなかった。それを感じるより先にそれが『NEXT』である事を強く認識した。


ジャック・・・
アラン・・・
サム・・・・
君らの言とおりだ・・・
日本人である私は仕事をしないと不安で生きて行けない体のようだ。結局、スーツに身を固め、オフィスで仕事をしている自分の姿が在る。



(事態は見えてきた、後は簡単だ)
手を軽く回し、アプリケーションを起動した。
「さて、お仕事をはじめましょうかねぇ♪〜」