空気の呪い


高山病だ・・・まちがいない。


チベットに来る旅行者の半分がかかると言われる高山病。昔からバックパッカー高山病で死んだという話はよく聞くが、現在になっても耳にする。しかし、高山病ってどういう症状かというと人それぞれ。原因は簡単に酸素不足、それ以上それ以下でもない。標高4000近く。このラサの街では富士山よりはるかに高い。


酸素濃度は低地の68%


私の場合、眠りにつくと今まで味わった事無いくらい酷い頭痛が襲った。


『ヴィー!・ヴィー!』
あたまんなかでレッドアラートが鳴り響いているようだ。まさしく体からの警告で、まるでパソコンののシステム警告みたいに、しつこく言ってきやがる。
『生命維持に支障が出ます。至急酸素を補給してください』


ああ!もう!


落ち着いて、過呼吸ぎみに肺を動かして、酸素を何とか確保する。するとマシニになってスーツ眠くなる。すると呼吸が浅くなって、また警告が始まる。それを夜中繰り返す。

おかげで夜が嫌になってくる。朝はゲッソリで食欲も湧きゃしねぇ・・

しかも、寒い・・冷たく・・暖房がほとんど無い。ロビーの唯一の暖房練炭で暖を取る

チッ食ったもん吐いちまったぜ・・・
旅人の試練は続く。そこまでしてそれでも旅人はチベットに来る何故か
それは・・・

ここが、それを差し引いても素晴らしい、精緻だから。

吐いた、朦朧とした意識で空を眺める。


なんて綺麗な空だ・・・・