天眼石の主

「それは天眼石だね・・・見事のものだ。」
「瑪瑙って聞きましたけど」
「正確には天眼石というんだ。チベットの僧侶が世界の理を見るために用いるものだよ。見通しがきくようになる。石には詳しいからね・・・」


「見通しはきいているかい?」


「どうともいえません。石は常に持っています。」


「昔私もつけていてね、見通しがききすぎて外したよ。私には向かなかったようだ。」
「それってどういうことですか?」
「石の主が今は君ということだ、私に手を離れてね」
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