雨の日の日曜(後編)

炊飯器からの煙を眺めながら本を読み、カチンと保温になったら、独りで昼飯を食べる。食事を終えるとすぐ食器を洗う。どうせ自分しか洗う人間がいないので、そのままだと落ち着かない。
 食事をするとまた坂を下りてジム行く、いつものようにひたすら1時間ぐらい走って1時間ぐらい柔軟をする。


『プライドなんて冷蔵庫で凍らせて眠らせよう』





用事が終わると部屋に帰る。コーヒーのみながらデッキチェアで本を読んでいたら、意識が無くなっていた。


CDは関係なくずっと回っていた。

『夢の中いつか君がやがて薄れても
つたえ合えたその思いは消えたりしないの』

 帰ってきた時はまだ夕方にもなっていなかったのに目覚めるとすっかり夜だった。静かな雨は、夜闇に消え、外は綺麗に夜の都市の灯火が瞬いていた。雨上がりの曇り空は時として不思議と美しい。街の光を吸収して、深くて美しい紺色をしていた。

『めぐり合う何もかもは
この胸に刻まれていく』



「GWはどうでしたか?」
「というわけでどこにも行かなかったよ」
日曜日の夜のbar
他に客はいない
「みんな今頃ブルーになってるんじゃない?明日仕事でしょ?こっちは13連勤っすよ、やっと休めますわ」
「そうかい、結構俺は好っすよ。日曜の夜は土曜日ほどイケイケなテンションじゃないし、こう落ち着いて飲める。レコードの音だってしっかり聞こえる独り占めだ。」
そう、こういいながら
「ん?メールだ・・」






(久しぶり・・・私は元気してるよ・・今はリハビリで少し歩けるようになったの)
『花は太陽に向って手を伸ばし咲こうとしている』