古美術ハンター

「観る目を鍛えたかったらどうすればいいんですかねぇ?」


「そりゃな、本物を視るの事だ。博物館に言って本物を毎回視る、すると解ってくる。もちろん骨董だけじゃない、全てに言える事だ」


そのおっさんは『ハンター』だった。たぶん腕はかなり凄腕だと思った。もちろん作品を見たこと無いが・・ぜったいそうだと僕は確信に近いものを感じていた。
そもそも『ハンター』って連中がいてちゃんと生業としてるのが、自分にとって衝撃だった。
もう、ゲームや!小説や!ギャラリーフェイクの実写だ
多分、日本ではそんな存在なんて一生知らなかっただろう。ここまで来た甲斐があった。




とある上海のユースホステルでの話
そんな妙なおっさんと出合った話



 私はだらだらしてますけで、と研究テーマを持っていてそれに即して生活してるんだよね。
知りたい事を探求して生活を続けること、それは、生活を楽しくする。
私の研究テーマの一つとして中国モダンデザインの探求である。中国って国は実は今眠っている。日本から見た中国はとってもお粗末なイメージだった。一度旅すると、ネタが尽きない楽しいい国だった。掘っても掘ってもいろんなのが出てくるワンダーランドだった。少なくとも明日何が起こるか?それにわくわくして、明日が待ちどおしい感覚。初めてだった。


あれから、3年たったけど今でも中国をちゃんと考えている。


「いいかい・・・・中国の物をそのまま並べると、バタ臭くて日本人には会わない。でもな中国は赤だけじゃないんだぜ、落ち着いた西洋を2割ぐらい混ぜてやるとほら・・どうだ?まるでちがうだろう?」


それを見たとき衝撃が走った。これが「静の中国」いや本質か・・・


文革のとき多くの宝が失われ、または闇に消えていったんだよ。今の中国では人知れず宝は眠ったままだ」
まだこの国は眠っている。


中国の価値は、安い物価でもなく、日本企業が作った安い製品でもない