貧乏臭い事について

「東京の印象はどう?」
すごく大都会だとか、人がいっぱいだとこか、その手の類の答えを期待していた。
だが男は予想外の事を言った。


「まぁ、貧乏臭い」
「え!?」
「貧乏って事じゃない。貧乏臭い」
「どういうこと!?」
「俺の国じゃあ金の無いやつは無いなりだ。服装も住む家もだ。それでけっこう笑って暮らしている」
「だがこの国の連中ときたら、飾り立て、少しでも自分をよく見せようと躍起になっている。それがまぁ貧乏臭い

この意味がわかるかい?
どういう意味か解る人と、解らない人がいるだろう。
私には云わんとしている事がよくわかる。


”ワシは貧乏臭いのは大嫌いじゃ、今貧乏と言う試練を甘んじて受け入れているだけじゃ”
貧乏人にも誇りがある。
それは欲望とかではなくて


”貧乏臭い−−−−”

本来そこに住むだけの対象である土地を、投機の対象とした。みんなが見右向け右で見習った。
恥も外見も無い。哲学もない。そこにあったのは金儲けだけだ
おかげで今の日本は青息吐息だ、
国の品格として倫理観などこれぽっちもなかった。


”貧乏臭い−−−−”

あったのは、周りの目を気にする小心さだけだ。