研究所長クマゴロー3

クマゴローは決して若い連中を怒らない
かなり、無茶をした時も、何も怒らず寛容な態度であった。
しかし、
研究所長室が怒鳴り声で揺れていた。
管理する上役にはノイローゼになるくらい怒る


なぜ、若い連中には怒らないのですか?
「若い才能の芽を摘みたくないのだよ」
若い時期怒られ過ぎると、怒られないような行動をする。
優秀な人間ほどそつなくリスクを避ける。
しかし、クリエイティブさが欠け、考えることをしなくなる。
何より人の痛みが解らなくなる


そうだ


なんでクマゴローは厚生省役員を抜けて
こんなちっぽけな会社にきたのだろう?
それとなく聞いてみた。
霞ヶ関時代、
優秀な若い部下を何人も自殺に追い込んだ
暗い過去がクマゴローにはあった。
予算審議の時期になると自殺者が出ることは
霞が関では裏噂話では有名だ。
特に優秀な東大卒には耐え難いことがある、
もみ消さなくいけないことがたくさん出る。
クマゴローは霞ヶ関を去り
人を活かし育てる仕事を始めることとなった。



人の上に立つ人とは
そんな人の痛み悲しみを理解できる
心があってもいい