くるくるくるま

ある日同僚が
新車買ったぜぇ
足回りオプションで変えてもらって
タイヤも買い替えたいんだ


ふーん
そぉ
かっこいい車だね


心の声
(でも、あんたその中途半端なワゴンで峠攻めるの?)
(つーか意味ねぇよなブリジストンの高級タイヤも)
(この間までペーパーだったヤツが限界まで攻めれるわけないしなぁ)
(若いなぁ・・・・)



むかぁしむかしのことじゃった・・・・


ある若者が免許をとって走り屋系車(白と黒のパンダト○ノ)を買って
うれしさのあまり毎日某峠を走っていた。
若者は
自分の自動車を何処でも持つ連れて行ってくれる自由な翼
俺のマシン(シャア専用ならぬ俺専用)
とばかりに誰よりも何よりも車大切にしました。
ろくすっぽ大学に行かず、
バイトばかりして
お金のすべて自分の自動車につぎ込んでました。
ある夜チョーシこいてドリフトしたらガードレールに刺さって
大事な自動車を廃車にする羽目になりました。
そして、気づいたのです。
自分の中には何も残らなかったことを
「走り屋に女はいらないっすよぉ」とイツキ君
みたいな事を言って毎日過ごしていたら
車が無い今の自分は本当に惨めだったことに気づいたのです。
動かない鉄屑と借金だけで
本当に生身の自分にはたいしたものが残ってなかったことに気づいたのです。


自動車に乗せられていたんだなぁ・・・
いくらいい車乗っても、中の人間がたいしたことないと
他人が見ると酷く惨めだ(つーか痛い)


それ以来若者は走り屋を辞め、まともに大学で勉強することにしました。

めでたしめでたし