一年目考察「DANCE DANCE DANCE 第三話」

え?Zって35歳なの!?
「ほら、みんなそういうリアクションとるからさ。言いたくないの」
身なりは若くても、その物腰から若くないと思っていたが・・・・


ダンスインストラクターのZはそう言った。


HIPHOPを習い始めてしばらく経った。
その後インストラクターのZとなぜだか、意気投合し、
イトーヨーカドーで100円チューハイを買ってきて、
ベンチで二人で飲んだくれていた。



俺、昔サラリーマンしてたんだぜ、ビシッとスーツ着てさぁ
ちょうどバブルの時代でバカみたいに仕事していたよ
高級車乗り回して、あらゆる欲望をお金で満たしていた。
そして、俺っち結婚もしてたんだよ
DANCE本気でしたいから、これから迷惑かけるからって
だから別れようって言ったんだ。そしたら奥さん


『このロクデナシ!!!』


ってさんざん暴れたね・・・・・


DANCERには保険も年金もない。
しかし、社会からはじき出たDANCERは迷いが無かった。
あらゆる、欲望を経験してきたZは、お金で買える欲望に全く興味をなくしていた。
食事すらままならない貧乏暮らしでも平然としていた。


保障がなくても
彼らには音がある。
お金がなくても
彼はたくさんのフレンドに囲まれていつもヨロシクやっている。



Z曰く
本当にDANCEをマスターしてしまうと社会人ではいられなくなる
音が体の隅々まで染み込んで、音なしではいらなくなる
Dancing my life
Dancing my lover