専門職は10年後、20年後も「専門職」なのか

IT(情報技術)が仕事のやり方を大きく変えたと言われますが、ITそのものは夢もロマンも語ってはくれません。あくまでただの道具(ツール)です。夢やロマンを語るのは人であり、1人では実現できない大きな夢やロマンを実現できるのは集団になってこそ、なのだと思うのです。

  また世間では、いま専門職に人気があり、これからは「専門職が重要だ」と言われています。専門職は1人で仕事ができると思っているようですが、これは実は大きな勘違いです。また、誰も言わないけれど、「その専門職というのは10年後も20年後も同じように有効で必要なのですか?」と思います。専門職の値打ちは世の中がどう動くかで評価が大きく変わってしまうからです。

昭和30年代は、繊維や石油化学が花形産業と言われ、みんなそこを目指したものです。ところがどうですか。今では、いや10年も15年も前から、これらの業種はみなかつての勢いはありません。繊維や石油化学の専門家というだけでは、もう生きられない時代になってしまいました。