大学発のベンチャーはなにを目指すか

従来、一般の大学講師においては会社を起こすという意識はなかった。しかし、今の世界においては、大学は基礎研究のみを行っている場合ではないようだ。今回の講演会では、ずっと研究畑を歩いていた大学の教授が研究成果からペーパー、特許出願、実用化煮向けて起業を行う一連の流れにおいての話を聞くことができた。
話の要点は以下であった。
· よい研究結果とアイデアがあったとしても特許を取るには莫大な資金がかかる。あまり知られていないことだが、と取得した特許にはさらに莫大な維持費がかかる。
· その資金をどこから調達するか
· 国に援助を求めれば特許は国のものとなる
· 起業は非常にリスクに対して慎重であるため今回のような医療系のものには援助しなかった。
· そこで新技術振興財団などに融資してもらう
· 実際法人として立ち上げるには莫大な資金がいる。そしてさらに、投資家や顧客を納得させるために、研究をさらに行い、だれもが納得するデータを彼らに見せなくてはならない。つまり実験施設を準備し、実験を行う研究員を雇わなくてはならにということだ
· 今回応用がクローズアップされているように見えるが、実は基礎研究が大きなポイントとなっている。なぜ?ガラスと骨がきれいにつながってしかも、拒絶反応が出ないか?ガラス質が体液のミネラルと反応し、表面に骨の成分アバタイトを形成する。このため人体はガラス質の結晶性シリカをなんと骨として認識してしまうのだ。このメカニズムをつかんだことでチタンでも理論上可能である。
· 日本の大学の利点がひとつ、学生を研究員代わりに無給で使える。実際それがなくては現実不可能であった。
· 研究において常にオルタナティブ(他にもっと楽な方法、代わりがないか?はたしてこれだけの苦労に見あうだけ実用化に魅力があるであろうかということ)を意識する
· ライバルが世界中に潜んでおりいつ責めてくるかわからん、特にアメリカは狡い、日本の無名中小企業でも完璧に情報を集め、頭が切れる弁護士と弁理士を引き連れ特許侵害だと攻撃してくる。日本の企業はその情報力に完膚なきにたたかれる。
· すばらしい特許が取れれば、たくさんのコンサルタントが押し寄せてくる、気がつけば開発者のロイヤリティーの取り分はほとんどない
· 結論は大学教授、理系研究者は商売が下手